生物の取引規制、タイミングも大事 環境NGOなど調査

小坪遊
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 希少な生物の売買を禁止する際には、規制のタイミングにも注意を――。北海道の環境NGO「PEG」などの研究チームが、環境省による希少生物の取引規制について、そんな調査結果をまとめた。駆け込み取引を見越して、捕獲しやすい時期などを避けた指定が効果を増すことにつながりそうだ。

 日本爬虫両棲(はちゅうりょうせい)類学会の会報で31日、発表した。

 研究チームは、環境省が昨年2月に種の保存法に基づく「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定したトウキョウサンショウウオについて、オークションサイト「ヤフオク!」での取引を調べた。研究用に捕獲したり、子どもが少し捕まえたりするのは問題ないが、希少種に指定された後の売買は禁止だ。

 調査によると、指定前の2009年1月から今年3月にかけて、324件の売買が確認された。取引はいずれも希少種に指定された20年2月10日以前のものだった。このうち、環境省が指定の方針を公表した19年12月25日から指定日までの約2カ月間に37件の取引が集中。1匹あたり平均2800円で売買されていた。過去の同時期に比べて件数は4倍以上、価格も2倍以上に急増していた。

 一方、過去の売買は、繁殖期にあたる3~5月に最も件数が増える傾向があった。春先に産卵場所に現れた個体や卵を採ったとみられるケースが多い。チームは「繁殖期前の2月に規制が始まったことで、繁殖個体や卵の乱獲を防げた可能性が高い。保全を考えると、指定公表から実際の指定までの期間は妥当だった」と結論づけた。小坪遊