ファイザーCEOに直談判、菅首相がたぐった人脈の糸
現地時間の4月17日午前8時半(日本時間午後9時半)の米ワシントン。
日米首脳会談のため訪米していた菅義偉首相は、ホワイトハウスの北西にある迎賓館「ブレアハウス」の一室で、スピーカー越しにある人物と対話していた。周囲では、側近の和泉洋人首相補佐官ら同行スタッフや現地大使館スタッフも、そのやりとりに耳をそばだてていた。
「日本への供給ルートの確保をお願いします」。首相自ら新型コロナウイルスワクチンの供給を要請した相手は、米製薬大手ファイザー社のブーラ最高経営責任者(CEO)だった。ブーラ氏は首相の求めに対し、「しっかり対応します」と快諾。その場で約5千万回分の追加供給を前提に、日本政府と協議に入る考えを示した。
「相手にしてもらえない」ブーラ氏にたどり着くためルート変更
首相による異例の「直談判」は、河野太郎行政改革相らが下交渉を進め、詰めの段階でブーラ氏が「首相とも話がしたい」と申し出て実現した。会談は終始和やかな雰囲気で進んだが、想定外だったのは、ブーラ氏から前触れもなく東京五輪・パラリンピックの選手団などにワクチンを無償提供することが提案されたことだった。
首相が頼ったのは駐米大使のゴルフ仲間でした。ただし、もらった時間は5分間。記事後半でお伝えします。
日本政府にとっては願っても…
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