火災被害の富士山レストハウス、解体へ 再建は険しい道

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六分一真史
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 富士登山や観光の静岡県側拠点だった「富士宮口五合目レストハウス」が冬季閉鎖中の火災で使用不能になり、解体されることになった。今夏は地元の富士宮市がプレハブの休憩所や仮設トイレを設置して来訪客に対応する。市では「世界文化遺産富士山にふさわしい新施設」の建設を県に要望しているが、事業の主体や費用の問題もあり、すぐには動き出しそうにない。

 3月22日に起きた火災では、男が閉鎖中に侵入して放火したとして起訴され、公判中だ。富士宮市や県は4月に現場調査を行い、使用不能との判断を示した。

 レストハウスは民間の所有施設だ。所有者の3人は専門業者に損傷具合の調査を依頼して修復の可能性を探ったが、工事には多額の費用がかかることが分かり、断念。今月13日、市に解体の方針を報告した。土地は国有地で、解体後に返還されることになる。

 所有者の一人、大塚信広さん(57)は「体力が続く限り続けたかったが、人生の計画が狂った。許せない」とうなだれる。

 標高約2400メートルにあるレストハウスは鉄筋コンクリート2階建て約1千平方メートル。1階に食堂、2階に土産物売店やトイレがあり、屋上では登山客や観光客が景色を眺めながら休憩し、県による保全協力金の徴収も行われていた。富士宮ルートで山頂を目指す人なら必ず立ち寄る施設で、ここでトイレを済ませてから登り始めるのが通例だった。

 市では、今夏を乗り切るため、7月10日の登山シーズン開始までに仮設トイレ計11基と休憩や緊急時の避難に使うプレハブハウス5台を設置する。いずれも閉山後に撤去する予定。恒久的な施設をいつ、どういう形でつくるかはまだ白紙の状態だ。

 レストハウスの歴史は古い。1970年、富士山スカイライン(県道)が5合目まで開通し、4年後の74年4月に県が1億5400万円をかけて建設した。運営は県道路公社から山小屋の組合に委託され、実際の営業は現在の所有者の先代3人に委ねられた。5合目より下にあった三つの山小屋の経営者で、スカイラインの開通によって廃業した補償措置の意味合いがあったようだ。スカイラインが無料化された94年に払い下げられ民間施設となった。

再建主体は、費用は…課題山積

 世界遺産になってから5合目…

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