新宿ゴールデン街 「飲み、語り合う文化」はどこへ

有料会員記事新型コロナウイルス

編集委員・小泉信一
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現場へ! 夜の社交場 コロナ禍の1年③

 約100メートル四方の区域に、3坪ほどの小さなスナックやバーが約300店立ち並ぶ。東京・歌舞伎町の「新宿ゴールデン街」。記者が訪ねたのは、3度目の緊急事態宣言が出る前の4月20日である。

 「換気力は並みじゃない 約3分半で店内の全体の空気を入れ替え」。そんな表示を掲げている店があった。感染対策をしっかりしていることを知らせたいのだろうが、多くが閉まっている。

 なじみの店にも臨時休業の貼り紙。ここに来るまでの間、ママさんに何度も電話を掛けたのだが、留守番電話になっていた。どこで、どうしているのだろう。

 シャンソン歌手ソワレが経営している店が開いていた。ハイボールのグラスを傾け、話をうかがう。「もう疲れちゃった。気力が続かない……」。言葉少なに語ってくれた。自分の気持ちを表す精いっぱいの言葉なのだろう。

 話題は共通の知人であり、「ゴールデン街の歌姫」と呼ばれた故・渚(なぎさ)ようこに移った。クールに構えながらも情熱にあふれ、聴く人の心の痛みと孤独と不幸に、精いっぱい寄り添った歌手だった。「この街には雑多なエネルギーが満ちている」。そう語っていたが、休業する店が立ち並ぶ光景を見たら何と言うだろうか。

 暗がりに揺れる誘蛾灯(ゆう…

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