高校生直木賞に2作品 加藤シゲアキさん、伊吹有喜さん

興野優平
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 直近1年の直木賞の候補作から高校生が受賞作を選ぶ「第8回高校生直木賞」(高校生直木賞実行委員会主催)の選考会が30日に開かれ、加藤シゲアキさんの「オルタネート」(新潮社)と伊吹有喜さんの「雲を紡ぐ」(文芸春秋)が選ばれた。

 アイドルグループ「NEWS」に所属する加藤さんの「オルタネート」は、今年1月に発表された第164回直木賞の候補となって注目を集めた。直木賞の受賞はならなかったが、今春には吉川英治文学新人賞を受賞している。

 加藤さんは「若い世代に読書の楽しみを知ってもらいたいと思って書いた作品です。作家になってから時折、『加藤くんの本を読んでみたいけれど、小説は難しくて読めない』と言われることがあり、それを聞く度に彼らは幼い頃に楽しい小説に出会えなかったんだろうなと感じていました。ならば自分が、若い世代が純粋に楽しめる作品を書き、小説を好きになってもらおうと考え、このような高校生の群像劇を執筆するに至りました。自分の願いが叶(かな)い、実際に高校生の方々に届いたのであれば、これ以上に幸せなことはありません」などとするコメントを発表した。

 伊吹さんの「雲を紡ぐ」は昨年7月に発表された第163回直木賞の候補作だった。伊吹さんは「本の世界は果てしなく、ページをめくれば古今東西のあらゆる出来事を体験し、たくさんの登場人物たちと心を通わせることができます。これからも本の旅をぜひ続けていってください」などとコメントした。

 第163回直木賞受賞作の馳星周さん「少年と犬」、第164回受賞作の西條奈加さん「心(うら)淋し川」など計5作から、全国32校の生徒約230人がオンラインで選考した。受賞作に選ばれた2作品は学校ごとの投票が最終的に同数になり、初のダブル受賞が決まった。(興野優平)