民芸草創期拠点の浜松で展覧会

長谷川智
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 【静岡】柳宗悦らが始めた民芸運動の草創期に拠点となった浜松市で、ゆかりの人や作品を紹介する「遠州の民藝(みんげい)展」が同市中区の市美術館で開かれている。1931年から2年間、同市有玉の高林兵衛邸に「日本民藝美術館」が開館し、近くの西ケ崎に工房も造られた歴史を振り返っている。

 民芸は民衆の工芸品で、柳は無名人の作品に価値を見いだした。教員をしていた中村精が運動に共鳴し、27年に柳を浜松に招いた。素封家の高林や医師でガラス絵などを収集していた内田六郎らが運動に加わり、美術館に発展して、柳らの収集品を展示した。工房では染織に取り組んだ。

 展覧会ではこうした人々を紹介し、収集していた絵画や古い時計、制作したネクタイやのれんなどが並んでいる。柳が調査し、市指定文化財になっている仏像も展示されている。

 5月23日には講演会があり、静岡県立美術館木下直之館長らが民芸運動の歴史と浜松との関わりを解説。「浜松が拠点になった背景には熱心な共鳴者の存在や、織物が盛んだったことが背景にある。高林邸の美術館は東京・駒場にある日本民藝館に引き継がれた。浜松と民芸との深い関わりをぜひ知って欲しい」と話した。6月27日まで。(長谷川智)