巨人がタカに12度目の正直 勝因は戸郷と大胆な継投策

松沢憲司
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(30日、読売ジャイアンツ4―3福岡ソフトバンクホークス)

 2019年6月23日から、交流戦と日本シリーズを合わせてソフトバンクに11連敗。707日間続いた屈辱の日々に、巨人がようやく終止符を打った。

 「3失点までに抑える」

 これが巨人にとっての一つの目安だった。負け続けた11試合はいずれも4失点以上を喫していたからだ。

 そのための最低条件は先発の粘投。原辰徳監督は困難な仕事を、先発では経験の無い中4日の強行軍だった、戸郷翔征に託した。

 菅野智之ら先発陣がけがや不調で不在。さらに昨年の日本シリーズで、戸郷は中継ぎながら3試合、5回3分の2を投げ2失点で敢闘選手に選ばれた実績もあった。

 抜擢(ばってき)されたプロ3年目、21歳の右腕は、立ち上がりから強気だった。相手の内角に150キロ前後の直球を連投。落差のあるフォークを決め球に使って、真っ向勝負を挑んだ。

 「去年いい抑え方ができて自信があった。僕がチームの借りを返す」

 1点を勝ち越してもらった直後の五回は、1死満塁を内野ゴロと左飛でしのぎ、5回88球、2失点と結果で応えた。

 継投に入ってからは、ベンチの腕の見せどころだ。

 六、七回はピンチとみるや、回の途中でも惜しみなく投手を代えて抑えた。左打者がそろう上位と対戦した九回は、別の“引き出し”を開けた。

 八回から登板した左腕・中川皓太を続投させたのだ。本来なら1回を投げきるのが仕事のセットアッパー。今季最多の33球を投げ、1点は失ったが2死一、二塁までこぎ着けた。次打者は右の甲斐拓也。今度は、守護神のルビー・デラロサも投入。見逃し三振で締めくくった右腕は「中川が回またぎでがんばったので、抑えられてうれしいよ」と充実感をにじませた。

 持てる策を惜しみなく打ち、狙い通り3失点までに抑え、巨人はなんとか逃げ切った。

 殊勲の戸郷は連敗ストップの喜びもそこそこに表情を引き締めた。

 「今年の日本シリーズに向けて、僕自身、いい戦いになった」

 そう、大一番での8連敗は継続中。もう一つの屈辱を止めるためにも、気を緩めている暇はない。(松沢憲司)

 岡本和(巨) 五回、中越えに決勝ソロ。「ソフトバンクにはずっと負けていたので。勝ててよかった」

 スモーク(巨) 八回に右越えソロで突き放す。「ピッチャーががんばっていたので、追加点が取れてよかった」

 中川(巨) 今季最多の33球を投げ、回またぎの熱投。「チームが勝てたことが、なによりもうれしい」

 原監督(巨) 中盤以降に6投手をつぎ込む継投で逃げ切り。「みんな、しっかり守ってくれたね」と満足げ。