我々は特別な絆を作り上げた 堅守チェルシーがCL制覇

ロンドン=遠田寛生 ロンドン=遠田寛生
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 サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)は29日、ポルトガルのポルトで決勝が行われ、チェルシーマンチェスター・シティー(C)とのイングランド勢対決を1―0で制し、2011年~12年シーズン以来、9季ぶり2度目の優勝を果たした。マンチェスターCは初優勝を逃した。

 チェルシーは前半42分にドイツ代表のハーバーツが決めた得点を守り切った。試合は新型コロナウイルスの影響で開催地がトルコのイスタンブールから変更され、有観客で行われた。

 チェルシーは12月に日本で開催予定のクラブワールドカップ(W杯)に欧州代表として出場する。(ロンドン=遠田寛生)

 チェルシーが築いた「壁」は堅かった。

 マンチェスターCは「FW」を置かない。だが、最前列には時に強力なアタッカー5人が横一列に並ぶ。両側に張り出すようにしてピッチを広く使い、中央にスペースをつくってめまぐるしくポジションを変えながら圧力をかけてくる。

 チェルシーのトゥヘル監督は言う。「相手が横に広げようとしてくることは分かっていたし、こぼれ球を拾うのはとても難しかった。でも、我々は守りにたけていて強い結束もある。守りはサッカーでとても重要な部分を占める」

 前日にはPK戦を想定した練習を入念に行うなど、防戦一方の展開も覚悟していた。DF3人と両ウィングバックで「5バック」を形成。パスコースを切り、球際では激しく体をぶつけた。中盤で攻撃の芽をつぶし続けたフランス代表のカンテは「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれた。

 前半39分に最後尾のDFチアゴシウバが負傷交代したが、誰が入っても守り切れるのが強み。許したシュート7本のうち、枠内に飛んだのは1本だけ。4本は選手が足や体を投げ出してブロックした。英スカイスポーツによると、タックル21本とクリア25本はともに相手の約3倍を数える。

 攻撃はカウンターに徹した。前半42分、自陣からの縦パスに抜け出したハーバーツがGKをかわし、左足で仕留めた。

 ランパード前監督が率いた今季中盤までは失点が多かった。1月26日、迷走していた強豪を引き継いだトゥヘル監督は出場時間が限られていた主将のDFアスピリクエタやリュディガーらを積極的に起用。リーグ戦を含め30試合中19試合が無失点だ。就任から123日でチームに強いアイデンティティーを植え付けた。

 アスピリクエタは言う。「数カ月前、チームを疑う人はたくさんいた。我々は特別な絆を作り上げた」(ロンドン=遠田寛生)