美食にスポーツ、長い昼休み…世界が驚く究極の福利厚生

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ロンドン=遠田寛生
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 最近、知人だけでなく取材先からも「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」という言葉を耳にする機会が増えた。新型コロナウイルスの影響で、日々の生活には制約がつく。心身ともに健康を保つために、世界のトップ企業はどのような取り組みをしているのか。

 5月19日、久しぶりにロンドン市内へ現場取材に出かけた。1月から都市封鎖ロックダウン)している英イングランドは、5月17日に緩和が3段階目へと入った。店内飲食が認められ、国内移動も許された。

 折りたたみ傘を持って出かけた午後3時前は、大雨が降った朝とは違い、快晴に恵まれた。地下鉄ピカデリーラインのグラスターロード駅で降り、10分ほどゆっくりと歩く。

 思った以上に多くの人とすれ違った。昨年3月末から合計8カ月以上も外出自粛の生活だっただけにどこか違和感をおぼえる。一方で飲食店を通り過ぎるたびにおいしそうな匂いがするので、自然とにやけてもいた。

 目当てのフィットネスジムについた。今回の目的は「テクノジム」のマシンを見せてもらうことだった。

五輪が愛用するブランド

 テクノロジーとジムナスティック(体操)を掛け合わせて名付けられたイタリア発祥の企業だ。心身ともに健康的という「ウェルネス」をモットーとしている。

 ランニングマシンからバイク、ボートをこぐ動作で体を鍛えるローイングマシンなど、ハイスペックな物ばかり。それぞれにタブレット並みの大きさの画面がつく。

 特別な鍵を入れるか携帯電話をかざすと、自身の状態やトレーニングメニューなどが表示される。SNSには自分のアカウントで接続され、動画やネットフリックス映画も体を動かしながら見られる。

 1983年に創業したテクノジムのマシンは、今では世界で毎日、約5千万人が使っている。一般の人だけではなく、トップアスリートにも愛用されてきた。

 80年代後半には、欧州サッカー界を席巻していたイタリア1部ACミランとパートナーシップ契約を結んだ。当時つくった「トレーニング室」は画期的で、会長兼最高経営責任者(CEO)のネリオ・アレッサンドリ氏(60)が当時、個人的に親しかったアリゴ・サッキ監督と話し合って実現したという。その後は他のサッカークラブも導入。自動車レースのF1でも、ドライバーのアイルトン・セナブラジル)やミヒャエル・シューマッハードイツ)が好んで使った。

 2000年からはオリンピック(五輪)が加わった。シドニー五輪から夏季大会を中心に大会期間中の選手村などにマシンを提供。今夏の東京大会は通算8度目のコラボとなる。

WLBの「相談役」に

 コロナの影響により20年の連結収益は19年から約24%減となる約5億1千万ユーロ(約683億円)になった。ただ今年の第1四半期は前年同期から約10%増の約1億2870万ユーロ(約172億円)と回復傾向にあるという。24年には10億ユーロ(約1340億円)の連結収益を目指している。

 テクノジムが有名なのはマシ…

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