世界遺産・仁和寺前にホテル計画 一部からは反対の声も

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向井光真
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 世界遺産仁和寺京都市右京区)の門前で高級ホテル建設の計画が進んでいる。京都市は、特例的なホテル開業を認める「上質宿泊施設誘致制度」の適用候補を決め、計画を審査するための事前協議を始めている。歓迎の声が上がる一方で、一部の住民からは、建設中止を求める声もある。

 建設が計画されているのは、仁和寺二王門(におうもん)の南前約3860平方メートルの敷地。世界遺産保護のため、周囲に設けられる利用制限区域「バッファーゾーン(緩衝地帯)」で、建築基準法で用途が制限される第1種住居地域などにも指定されている。

 そのため、延べ床面積3千平方メートル以上の宿泊施設は建てられない。だが、上質な宿泊施設として制度が適用されると、特例で立地制限が緩和される。

 候補になっているのは、東京都内のホテル運営会社共立メンテナンスの建設計画。仁和寺前の土地に、地上3階、地下1階の延べ床面積約5800平方メートルのホテル(客室67)を建てる。2023年夏の開業を予定している。茶室や温泉を備え、館内の壁や調度品に西陣織京友禅など伝統産業製品を活用。仁和寺金堂でのお勤め体験、御室流華道1日体験など地域の魅力を生かしたサービスも提供するという。

 制度の適用に必要なのは、住民との合意形成だ。この土地は15年に、コンビニやガソリンスタンドの出店計画が浮上し、住民らの反対で撤回された経緯もある。そこで、同社は17年から、仁和寺を含む住民ら約70世帯で構成する「仁和寺門前まちづくり協議会」と意見交換を重ねてきた。外壁や塀を境界から後退させたり、露天風呂をなくしたりするなど、計画に住民の要望を反映。協議会は18年5月に計画を承認した。

 協議会の馬場康夫副理事長は「地域が活性化し、地域に寄り添っていただけるホテルになってほしい」と話す。仁和寺の吉田正裕執行長も「門前のみなさんが納得され、仁和寺の歴史や文化を未来に継承して頂ける施設になって(観光客らが)御室に足を運んでもらえるきっかけになれば」と願う。

著名人からも…「建設中止」求める声

 ただ、住民の一部からは「合…

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