突き上げる3本指「首相出ていけ」 タイクーデター7年

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バンコク=貝瀬秋彦
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 2014年5月に起きたタイの軍事クーデターから7年が過ぎた。一昨年の総選挙を経て形の上では民政に戻ったものの、軍の影響力は色濃く残ったままだ。そうした状況の中で昨年から若者たちを中心に、王室改革を含むタイ社会の「真の民主化」を求める声が上がり、数万人規模のデモも起きた。だが、政権側による弾圧や新型コロナウイルスの感染再拡大の影響も相まって、民主化進展への道のりは見通せない。

 クーデターからちょうど7年となった5月22日の夕方、バンコク中心部の高架鉄道駅の近くで、プラユット政権の退陣などを求める抗議集会が開かれた。タイではこのところ、新型コロナの新規感染者が急増して3千人前後の日が続き、感染を恐れて外出を控える人が多い。その影響もあって、集会に参加したのは数十人だったが、集まった人たちはクーデターを非難し、抵抗を示す3本指を空に向かって突き出しながら「プラユット(首相)は出て行け」と声を上げた。

 プラユット氏は陸軍司令官だった14年にクーデターを主導し、当時のタクシン元首相派の政権を覆した。農村や都市の貧困層などが支持基盤のタクシン派と、官僚や富裕層など伝統的な支配層が中心の反タクシン派の争いによる混乱を収め、国民の和解を目指すというのが軍が掲げた理由だった。

 だが、プラユット氏がトップに座った軍事政権は、実際にはタクシン派の復権阻止に力を注いだ。この間に制定された憲法では、タクシン派のような大政党に不利な選挙制度が導入され、国会での首相指名選挙に軍政が事実上任命する上院議員が加われるようにもした。

記事後半には、デモのリーダー格の大学生(24)のインタビューがあります。抗議運動の現状と課題を聞きました。

 軍政は約5年にわたって続き…

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