異例出世の側近、ナンバー2に? 北朝鮮が第1書記復活
ソウル=神谷毅
北朝鮮の朝鮮労働党が1月の党大会で党規約を改正し、「第1書記」を復活させていたことが分かった。韓国政府関係者が明らかにした。かつて金正恩(キムジョンウン)総書記が就いていた肩書だけに重みがあり、最側近を登用した可能性もありそうだ。
第1書記は総書記である正恩氏の下に置かれ、正恩氏の委任を受けて会議を主催できるという。正恩氏の父、金正日(キムジョンイル)総書記が亡くなった後、正恩氏自身が第1書記の肩書を新しく設けて就任した経緯がある。
韓国メディアは、党大会で党最高指導部である政治局常務委員に異例の昇格を果たした趙甬元(チョヨンウォン)氏が第1書記に就き、名実ともに「ナンバー2」となった可能性があると報じている。
ただ、北朝鮮は「唯一的領導体系」を敷いており、正恩氏に絶対的な権力が集まっている。韓国政府関係者は「もし趙氏が第1書記になったとしても、実際にどのような権力を持っているのかは分からず、過大評価をするべきではない」とみる。脱北した北朝鮮の元高官も「第1書記の肩書がナンバー2の位置にあることは確かだが、正恩氏の業務の負担を減らすという現実的な対応だとみる方が妥当だろう」と語る。(ソウル=神谷毅)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。