燻製は「男の趣味」? コロナで人気加速、最適な季節は

[PR]

 同僚が自宅でチーズや鶏肉を燻製(くんせい)しているらしい。

 「おうちご飯」が増える中で人気なのかと思い、検索動向がわかるグーグルトレンドで「燻製」と調べたところ、コロナ禍に入った昨春は、過去5年で検索数が最多だった。

 ただ、それよりも気になったのは、過去5年にわたって5月初旬に検索の「山」ができていたことだ。燻製は「春の風物詩」ということなのか。調べてみた。

 月間約5900万人が利用する料理レシピサイトを運営する「クックパッド」(横浜市)に検索頻度を聞くと、コロナ禍前の2019年は5月が最多だった。8月がそれに続いた。コロナ禍の20年も5月と8月に検索の山ができたが、19年よりもその伸びが大きかった。21年5月の検索頻度も20年に匹敵する勢いで伸びていることから、燻製への関心は春先に高まり、コロナ禍でそれが加速したと言えそうだ。同社の担当者は、5月の検索頻度が高い点について「梅雨入りの前で気候が比較的安定していることやゴールデンウィークがあることが関係しているのではないか」とみる。

 クックパッドのデータを性別でみると、男性が多かった。燻製をしていると言っていた同僚も男性。自分も燻製をしている、と会話に加わってきた上司も男性だった。燻製は「男の趣味」ということなのだろうか。

 女性では40代以上が比較的多く検索していた。担当者は「子育てが一段落して日常に追われることが減った世代で、普段の料理とは違ったアプローチで燻製に関心を抱く方が多いのでは」とみる。

 5月に高まる燻製への関心は、小売店の売れ行きからもみてとれる。ホームセンター大手のコメリ(新潟市)では、燻製に使う機器(スモーカー)や木のチップなど燻製関連の商品は例年ゴールデンウィークの頃が販売のピークだという。特にコロナ禍の昨年5月は例年の2倍以上売れたという。

燻製の敵は

 アウトドア用品メーカーの新富士バーナー(愛知県豊川市)でも、燻製用品の20年度の売り上げが前年度比で5割弱増えたという。主力商品はアウトドア向けだが、台所のガスコンロで燻製ができる家庭向けの陶器製のスモーカーの売れ行きが良いという。

 検索データを元に「春先がよく売れるのでは」と聞いたところ、担当者の答えは「売れる時期に季節性は感じない」。売り上げは年度上期と下期でほぼ半々で、通年で売れているとのことだった。

 さらに「キャンプ需要が高まる春と夏は確かに関心が集まるのですが、燻製に一番適している季節は冬なんです」と担当者。どういうことなのか。

 担当者いわく、燻製の敵は「水分」だという。食材に水分がついたままだと、それが酸味や苦みにつながることがあるためだ。また暑い時期は生肉や鮮魚といった食材が冬に比べて腐りやすい。このため、乾燥していて気温が低い冬が燻製に適しているというわけだ。

 毎週のように燻製をしているという冒頭の同僚に、こうした取材結果を伝えたところ、冬が最適と知らなかったようで、「冬? がーん!」と返信がきた。

 ちなみにクックパッドで今年5月の1カ月間で「燻製」とともに調べられた食材のトップは、ささみ。2位から10位は②卵③ベーコン④鶏⑤サーモン⑥チーズ⑦鶏胸肉⑧貝柱⑨カキ⑩タコだった。まだしばらくは家での食事が中心になりそうだ。「季節外れ」ではあるが、これを機に燻製を始めてみようか。篠健一郎

新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[記事一覧へ]