カマキリのお祈り? 幼虫わさわさ 5日から「螳螂生」

石倉徹也
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 6月5日から10日ごろまでは、二十四節気を細分化した七十二候(しちじゅうにこう)の「螳螂生(かまきりしょうず)」。読んで字のごとく、秋に産みつけられたカマキリの卵が一斉に孵化(ふか)する時期だ。

 神戸市の髙木研璽(けんじ)さん(48)が自宅の庭で撮影したのは、孵化直後のオオカマキリの幼虫。体長数ミリで色は白っぽいが、逆三角形の特徴的な顔に、しっかりとした鎌を持ってスポンジ状の「卵囊(らんのう)」の上に立つ姿は親とそっくり。

 「たまたま2匹が向かい合う瞬間を撮れました」

 この時期、庭先などで卵を見つけたら観察するのも楽しそう。卵は、植物の茎や枝のほか、倒木や壁などにも産みつけられる。冬の寒さや乾燥を防いでくれた卵囊から、薄い皮をかぶった幼虫がわさわさと生まれる様子は見ものだ。

 成虫になれば、するどいトゲが並んだ前脚でバッタやチョウ、ハチなどをつかまえて食べる「昆虫界のハンター」。その好戦的な性質は、馬車に鎌を振り上げて立ち向かったという中国の故事もあるほどで、自分の力をわきまえずに立ち向かう「螳螂(とうろう)の斧」のことわざも生まれた。

 ところが、幼虫は立場が逆転し、アリやクモ、ムカデに食べられるほど弱小なんだとか。卵囊一つから100匹生まれても、生き延びるのは数匹程度。「まさに下克上の世界」と自然観察指導員兵庫連絡会の野本康太さん(45)は言う。

 写真をよく見ると、胸の前で前脚をそろえるポーズ。英語でpraying mantis(祈り虫)と言われるだけあり、お互いの成長を祈っていたのか。石倉徹也