雨上がりのアリ 口づけの意味は?

矢田文
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 雨上がりの朝、自宅の庭で育てているノウゼンカズラに、雨滴がついてキラキラと光っている。神奈川県横須賀市の飯塚勝雄さん(75)は庭に出てカメラをかまえていた。

 ノウゼンカズラの甘い匂いに誘われたのだろうか。よく見ると、茎や葉の上にたくさんのアリが集まっている。テクテクと小さな体で仲間に近づいたり、離れたり。その瞬間を写した。第37回「日本の自然」写真コンテスト(全日本写真連盟など主催)で入賞した。

 「自然界の身構えない生き物の姿を撮ることができた」。まるで口づけしているかのような2匹の姿に飯塚さんは「アリさんが愛の散歩中」と表現する。

 アリは極地や高山を除けば、全世界の陸地に生息する。女王アリを中心に、働きアリや兵隊アリたちが集団生活を営む。互いに口と口とを近づけるのは、集団社会における情報交換の手段なのだとか。(矢田文)