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大谷1試合2本塁打、好調の理由は? カギは「バレル」

小宮山亮磨
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 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平が18日(日本時間19日)のタイガース戦で2本の本塁打を放った。今シーズンの本塁打数を21に伸ばし、大リーグ全体で単独3位。7月にあるオールスターゲームでは、日本選手初となる本塁打競争への出場も決まっている。

 打撃好調の理由は何か。打球の動きを数値化した公式データから探った。

 今季の大谷はここまで、打点は50と大リーグ全体で4位。1打数あたりで進んだ「塁」の数の平均値を示す「長打率」でも、6割3分6厘で同3位と上位にある。

 カメラやレーダーで球の動きを追跡して数値化する大リーグのシステム「スタットキャスト」の公式データ(17日現在)をダウンロードして、大谷の打球を分析した。

 まずは、バットに当たった直後の打球速度。記録された2021年の計309回をみると、中央値は時速約134.7キロ。20年の同132.1キロよりは速いが、19年(138.1キロ)、18年(138.7キロ)と比べれば劣る。

 では、打球が上がる角度はどうか。21年の中央値は、水平方向から上側に26度。14度だった19年、19度だった18年と20年よりも、かなり傾きが増していることがわかる。

 スタットキャストのデータでは、安打や長打になる確率が高い速度と角度で打ち上げられた打球を、「バレル」と呼んで分類している。大谷の打球がバレルとされた割合は、21年は23.6%で、両リーグ首位。10.7%だった20年から飛躍的に向上した。19年は12.2%、18年は16.4%だった。ゴロを避け、打球を上にあげることで長打の確率を上げようとする打撃理論「フライボール革命」に沿った、理想に近い打ち方ができているようだ。

 大リーグ公式サイトの説明によると、バレルとされる条件は、打球速度が最低でも時速157.7キロ(98マイル)であること。このとき打球の角度が26~30度ならバレルと分類される。今年の大谷は中央値が26度で、この範囲に収まっている。打球速度が上がるごとに角度の許容範囲が広がり、時速186.6キロ(116マイル)なら8~50度がバレルになる。

 16年のレギュラーシーズンでは、バレルとされた打球が安打になった確率(打率)は8割2分2厘、長打率は2.386だった。大リーグでの大谷の打席では118回記録されていて、うち62回が本塁打、23回が二塁打になった。(小宮山亮磨)