コロナで不当な発注取り消しも 下請法の指導勧告が最多

田中恭太
[PR]

 公正取引委員会は2日、昨年度に下請法違反で勧告や指導した数は8111件で、過去最多だったと発表した。最多更新は13年連続。昨年度は新型コロナウイルスの影響で下請け事業者に支払いを遅延したなどとして、親事業者を指導した事例もあったという。

 公取委によると、内訳は勧告が4件で、指導が8107件。最多更新の背景には、調査能力の向上や法律への理解の広まりを挙げている。違反が確認されて下請け事業者に原状回復した親事業者は216あり、計約5億4千万円に上った。

 新型コロナ関連では、社員教育を受託する会社が、コロナの影響で取引先から講師派遣をキャンセルされたことを理由に、再委託先への発注を取り消していた例があった。他にも、衣料品製造会社がコロナで資金繰りが悪化したことを理由に、あらかじめ決めた期日を過ぎて代金を払っていた例などもあったという。

 コロナ関連の相談は昨年2月ごろ以降、今年5月中旬現在で500件ほど寄せられているという。

 担当者は「事業環境は厳しいと思うが、下請け事業者の責めに帰すべき理由がないのに代金を支払わないなどの行為があれば違反になる。新型コロナとの関係に関わらず、問題になるのか疑問があれば、親事業者側でも相談窓口に相談して欲しい」としている。(田中恭太)