DHC会長の差別的文章を削除 同社「コメント控える」

笹川翔平、武田肇
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 化粧品大手ディーエイチシー(DHC)が在日韓国・朝鮮人に対する差別的な文章を会長名で公式オンラインショップに公開していた問題で、5月31日夜に一連の文章がすべて削除されたことがわかった。同社は「コメントを差し控える」としている。同社をめぐっては、災害協定を結ぶ自治体が協定解消を申し出たり、取引先企業が文章を「不適切」として見解を求めたりするなどの動きが出ている。

 DHCは昨年11月、サプリメント市場で競合する企業に対し、在日韓国・朝鮮人への差別的な言葉を使った吉田嘉明会長名の文章を自社サイトに掲載。人権団体などから削除を求められたが応じず、今年4月と5月にも新たな差別的な文章を追加で掲載していた。

 これに対し、災害時にDHCからサプリメントの提供を受けるなどの包括連携協定を結んでいた高知県南国市が4月、文章を「不適切」として協定解消を申し入れた。朝日新聞の取材では、DHCと災害協定を結ぶ21市町のうち熊本県合志市高知県宿毛市も協定の凍結などの姿勢を示した。

 さらに、NPO法人「多民族共生人権教育センター」(大阪市)などの調査によると、DHCの取引先やその親会社32社のうち7社が、DHC側に見解を求めるなどの何らかの対応をとったと回答した。スーパーの平和堂は「会長の発言(文章)は不適切で公式見解を求めた」▽流通大手のイオンは説明を求める文書を送り、「発言を容認すれば、イオンの(人権基本)方針とは相いれないことも付言した」▽DHCの取引先の親会社であるJR西日本は、事態を憂慮し「遺憾の意」を伝えた、という。

 同センターの文公輝(ムンゴンフィ)事務局長は「人種差別は許さないという自治体や企業の強い姿勢がDHCの姿勢を変えさせた可能性がある。ただ、DHCが謝罪をし、再発防止策をとるまでは問題は解決しない」と話す。

 DHC広報部は、朝日新聞の取材に「自治体との協定見直しについては自治体が決めたことで当社からコメントはない。その他のご質問についてはコメントは差し控える」と回答した。(笹川翔平、武田肇)