「制度設計は後でいい」首相が急いだ職域接種 課題多く

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菊地直己 坂本純也 平林大輔 野口憲太
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 政府は1日、新型コロナウイルスのワクチン接種について、職場や大学などで行う「職域接種」を今月21日から始めると発表した。米モデルナ社製のワクチンを使う予定で、国や都道府県による大規模接種と、米ファイザー社製を使う市区町村の接種と合わせて、三つの接種ルートができることになる。

 加藤勝信官房長官がこの日の記者会見で職域接種について、「接種に関する地域の負担を軽減し、接種の加速化を図るため」と説明した。接種を行う医療従事者や会場は企業や大学側が確保する仕組みで、公平性の確保や接種態勢がどこまで整うかなど課題も多い。

 職域接種では、企業の社員らに加え、下請け企業など取引先も含めた接種を例示。中小企業が商工会議所などを通じて共同で実施することや、大学では教職員に限らず学生も対象にすることなどを挙げた。接種対象者について、加藤氏は「実施主体によって判断頂きたい。(社員の)家族を入れるなども十分あり得る」と述べた。

 さらに加藤氏は「ワクチン接種券がなくても接種は可能」と説明。接種券が届いていない場合でも、後日届いた接種券を使って企業や大学側が接種記録を登録する仕組みにするという。

 政府はモデルナ製のワクチンについて、計5千万回分(2500万人分)を調達する契約を結んでいる。加藤氏は「今はかなり(ワクチンの)供給量は確保されて、これをいかに早く打つかということが求められている」と述べた。

記事後半では、高齢者への接種を優先していた政府が、職域接種へ舵を切った背景を紹介します。早く進めた事情には首相からの働きかけもありました。

 政府の発表によると、5月31日時点でのワクチンの総接種回数は約1321万回。政府は7月末までに高齢者(約3600万人)への2回目の接種を終える目標を掲げているが、職域接種で若年層も含めた接種を進める狙いがある。

 また加藤氏は、高齢者接種の…

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