3頭に会えたから 難病女性、盲導犬とパラ聖火リレーへ

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岡本進
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 さいたま市桜区に住む桜井洋子さん(64)が「アッシャー症候群」という、目と耳の難病とわかったのは34歳のときだ。視力と聴力をほぼ失った。でも、失意の底から引っ張り出してくれた存在がいた。人生にたくさんの花を咲かせてくれた3頭の盲導犬だ。

 「いずれは失明します。治療法はありません」。どの病院で診てもらっても、医師はそう言った。山小屋で働いていた30歳のころ、登山の途中で石をよく踏み外した。車を運転中、電柱にぶつかりそうになり、助手席の友人から「ぼーっとしないでよ」と怒られたこともある。気づかないうちに視野が狭くなっていた。

 勤務先のデパートには白杖(はくじょう)をついて通った。東京都内に出かけたある日、JRの駅で点字ブロックに立って電車を待っていると、走ってきた誰かに突き飛ばされ、ホームから落ちた。胸の骨が折れた。

 外出が怖くなった。友人の勧めで、同い年の夫は日本盲導犬協会に連絡した。パートナーとなったのは、白いラブラドルレトリバーの雄の「アンソニー」。訓練は1カ月に及んだ。道の角にさしかかるとアンソニーはとまり、角の方を向く。胴輪を通してその感触が桜井さんの手に伝わり、合図となる。

 杖だと足元しかわからず、停…

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