行政窓口、キャッシュレス化を 規制改革推進会議が答申

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坂本純也、神宮桃子、桑原紀彦 中島嘉克、初見翔
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 政府の規制改革推進会議(議長=小林喜光・三菱ケミカルホールディングス会長)は1日、菅義偉首相に答申を出した。役所への手数料支払いのキャッシュレス化など、デジタル時代に向けた規制見直しが柱だ。政府は月内に実施計画を閣議決定する。キャッシュレス化の法案は来年の通常国会への提出をめざす。

 答申は、行政手続きで印紙払いや金融機関の納付証明書の提出を求められることが多いと指摘した。窓口での支払件数が年1万件以上の手続きについて、クレジットカードや電子マネー、QRコードのいずれか一つ以上で、決済できるようにするよう求めた。

 菅政権は、押印の廃止や携帯電話の料金引き下げなど、身近なテーマに取り組んできた。答申も政権の動きに沿った内容がめだつ。

 河野太郎規制改革担当相は1日夜の会見で「いろいろなものが前進したのではないか」と述べた。菅政権発足後の昨年の9月末から作業部会は81回開催されたという。

 答申の内容は幅広い分野に及ぶ。可能なものから順次、取り組む。検討して結論が出たら原則として速やかに対応する。

 タクシーでは、地域や時間帯、天候に応じて乗車料金が変わる「変動運賃制度(ダイナミック・プライシング)」の検討が挙がった。米ウーバー・テクノロジーズなど配車アプリ事業者が、海外で導入している仕組みだ。利用者の少ない時間帯の料金値下げなどが期待される。国土交通省が年内に実証実験を始める計画だ。料金の上乗せは2割、引き下げは1割程度の幅を検討している。

 コロナ禍による宅配需要の高まりを受け、運送事業者が自家用トラックに頼んで荷物を運んでもらう制度の緩和も検討する。年末年始などに限定していた時期について広げる方向だ。

 動画や音楽などのコンテンツ流通を促すための著作権制度の整備も求めた。権利者がわからなかったり、許諾をとるのが難しかったりするアマチュアの創作物の扱いなども含めて、権利処理の窓口一元化が必要だとしている。文化庁が関係府省と連携し、年内に一定の結論を出すという。

 教育では、文部科学省大学設置基準の要件見直しに言及した。必要な単位を取得すれば4年以上在籍しなくても卒業できるようにすることを提案した。入学や卒業の時期についても、海外の大学院などへの進学を想定し、柔軟な設定を求めた。大学や高校の基準では、オンライン授業の広がりを受け、学生1人あたりの面積見直しなども課題とされた。(坂本純也、神宮桃子、桑原紀彦)

過去には省庁が骨抜きにするケースも

 答申は行政の既得権益やあしき前例主義の打破を掲げる。菅首相は「規制改革を全力で進める」とするが、政府にとって積み残された課題もある。

 「オンライン診療・服薬指導…

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