児童館で生理用品を配布 SNSの呼びかけに大量の寄付

大下美倫
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 生活に困窮する女性を支援しようと、神戸市立愛垂児童館(垂水区瑞ケ丘)が生理用品の無料配布を始めた。予想を上回る寄付が集まる一方で、受け取りに来る人はまだ少なめ。児童館は、恥ずかしく感じないように渡し方を工夫するなどして利用を促している。

 「あなたのおうちのあまっている生理用品をぜひご寄付ください!」

 愛垂児童館がチラシやSNSで呼びかけを始めたのは今年3月のことだ。

 イギリスではここ数年、生活が苦しく生理用品が買えない「period poverty(生理の貧困)」が社会問題に。学生らに無料で提供する運動が広がった。日本でも、無償配布などの対策を実施する自治体が増えている。

 報道で生理の貧困を知った児童館長の吉田佐和子さん(58)を中心に、児童館としてできることを模索した。

 そうした中で出会ったのが、生理用品を詰めた箱を全国の学校などに提供する団体「レッドボックスジャパン」。連絡を取り、児童館に箱を置くことが決まった。

 3月末、児童館の一角にボックスを設置。年代を問わず、生活に困っている人が無料で持ち帰れるようにした。

 「最初はもらい手が多くて、なくなると思った」と吉田さん。

 だが始めてみると、反響が大きかったのは寄付のほう。2カ月ほどで9人から約40袋の生理用ナプキンが集まった。「お役に立つことが出来れば幸いに存じます」という手紙とともに、東京から段ボール1箱分が届いたこともあった。

 取りに来た人からは「家族に女性が多く、たくさん消費するので本当に助かる」といった声が寄せられている。

 ただ、これまでの利用者は数人程度。寄付の方が圧倒的に多い状態だ。

 需要がないのではなく、「生理用品がほしい」と声に出しづらい人も多いのではないか――。

 そう考えた児童館は、渡し方を工夫することにした。SNSなどに掲載しているチラシを黙って見せるだけでやりとりせずに受け取れるようにしたり、建物の外に「必要な方はおとりください」と貼り紙をしたり。個人情報を聞くこともない。

 吉田さんは「買うのがもったいないから、くらいの気持ちでも大丈夫。友達と『ノリ』で来て、得したと思ってもらえたら」と気軽な利用を呼びかけている。(大下美倫)