富山・立山アルペンルート50年「客増えてにぎやかに」

野田佑介
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 標高3千メートル級の山々が連なる北アルプスを貫く「立山黒部アルペンルート」が1日、全線開業から50年を迎えた。半世紀前を知る人も最高地点の室堂(富山県立山町)で、快晴の空の下、感慨に浸った。

 「もう50年経ったのかという感じ。全線開業で観光客が増えて一気ににぎやかになったよ」。半世紀前の全線開業初日にロープウェーの運転士を務めた松島武さん(82)=立山町=は振り返った。

 富山・立山駅―長野・扇沢駅(総延長37・2キロ)間でトロリーバスやケーブルカー、ロープウェーなどが順次運行を始め、1971年6月1日に全線開業にこぎつけた。アルペンルートを運営する立山黒部貫光(富山市)によると、自動車道の整備やトンネル掘削工事などが難航し、開業は予定から2年遅れ、計画から約20年かかったという。

 松島さんは30歳のとき、富山地方鉄道から立山黒部貫光に出向し、定年まで勤めた。ロープウェーの保守点検や改札、レストランでの食器洗いなどあらゆる仕事をこなした。「1年の半分以上は山で過ごした。忙しかったけど楽しかった」

 その後も観光ガイドとして室堂に度々足を運んだ。半世紀の節目の日は、新型コロナの影響で客は少なめ。「駐車場に貸し切りバスがないのが寂しい。早くコロナが収まって、また多くの人にこの自然を見に来てもらいたい」。雪の残る山々を見つめながら、松島さんはそう話した。(野田佑介)