「世界自然遺産」を疑似体験できる施設 環境省が奄美に

奄美通信員・神田和明
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 世界自然遺産に登録される見通しとなった鹿児島県奄美大島に、環境省が建設する「奄美大島世界遺産管理拠点施設」(仮称)の概要が公表された。生物多様性を象徴する奄美の森を再現した展示などで、守るべき自然を知ってもらい、適正な観光利用につなげるための拠点にする。2022年8月の開館をめざす。

 施設は奄美市住用町役勝の「黒潮の森マングローブパーク」内の市有地を借り上げて建設する。環境省によると、本館は木造平屋建てで床面積582平方メートル。うち展示室が318平方メートルで、売店なども置く。今年7月に着工予定で総事業費は約7億5千万円。

 展示は「奄美大島のフィールド探索型ミュージアム」をコンセプトに、島の常緑の森などをジオラマと大画面(幅10メートル、高さ5メートル)で再現。森の朝から夜までの1日の移り変わりを体験できるようにする。

 アマミノクロウサギやオーストンオオアカゲラなどの生物も剝製(はくせい)や模型で展示。観察の疑似体験も楽しめるなど工夫され、実際に森の中を歩いているような展示を計画している。施設では遺産の価値を理解してもらう取り組みや団体ツアー客の受け入れ、密猟盗掘対策も担う。

 環境省と地元自治体でつくる協議会を中心に運営にあたる。建設場所となる住用町で3月30日、住民説明会があった。環境省の担当官は「奄美に来たのに自然遺産の価値を知ることなく帰る人が多い。疑似体験を通して、奄美の自然の豊かさを知ってもらい、再び訪れたいと思える施設にしたい」と話した。(奄美通信員・神田和明)