緊急事態宣言逃れ北九州→下関 「越境飲み」に店主苦悩

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貞松慎二郎、寺島笑花、小川裕介
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 新型コロナウイルスの感染拡大で福岡県に出ていた緊急事態宣言が1日、延長された。酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請が20日まで続く。そんななか、関門海峡を挟んで隣り合う山口県下関市では、酒場を求め、北九州市から海を越えて訪れる人が後を絶たない。

 JR下関駅そばの繁華街、豊前田(ぶぜんだ)。福岡県で5月12日から続いていた緊急事態宣言の延長が決まった翌日の29日夜、屋台風居酒屋「みすず」には北九州市から来たという客がいた。

 介護職の男性(29)は下関市在住の友人と飲むために来店した。「約1カ月、外で飲めなくて我慢していた。地元は開いている店がほとんどないし、開いていても午後8時で閉まる。宣言が延長されて、またしばらく飲めないと思うときつい」。店主の湊(みなと)幹郎さん(66)は「お客が悪いとは思っていない。北九州市とは県が違うだけで生活圏は同じ」と理解を示す。

 北九州市と下関市の間は通勤や通学で1日1万人近くが行き来している。JR小倉―下関間は2駅。下関で飲んだ客は午前0時前の最終電車で戻るか、タクシーや運転代行を利用して海を渡る。繁華街のコインパーキングには、県外ナンバーの車が目に付く。

 ソフトバンクの子会社アグープのデータをみると、下関駅周辺の土曜午後9時台の人出は、福岡県に飲食店への営業時間短縮要請と宣言が出される前の4月17日と比べて、5月22日が1・35倍、29日も1・41倍に増えていた。

 福岡県では休業要請に応じた飲食店に協力金が出るが、山口県は出ない。熊本県では、福岡県に近い有明保健所管内で酒類を提供する飲食店に時短営業を求め、協力金を支給している。湊さんは「なぜ同じようにできないのか。あまりに不公平だ」と憤る。

 5月に下関市で確認された新…

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