若き4番がとどめの一発 下馬評低いヤクルトが大健闘 

藤田絢子
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(1日、プロ野球交流戦 東京ヤクルトスワローズ7―4東北楽天ゴールデンイーグルス)

 決して簡単な球ではなかった。2点差を追いつき、さらに1点を勝ち越した直後の七回2死二塁、ヤクルトの村上宗隆は、ひざ元のフォークを仕留めた。急いで走り出す必要などない。打球は右翼席上段まで飛んでいった。

 巨人・岡本和と並びリーグトップを走る今季15号で、リードを3点に広げた。「相手にダメージを与える1本を打てるのがムネ(村上)」。高津臣吾監督はそう誇った。

 交流戦に入り状態を落としかけていた21歳の4番を高ぶらせたのは前を打つ先輩たちだ。

 リードを許していたこの回、四球や単打などで1死満塁とした。青木宣親が選んだ押し出し四球と捕逸で追いつき、山田哲人の犠飛で勝ち越した。適時打は一本もなかったが、じわじわと泥臭く攻め、最も頼れる打者に回した。「勢いに乗せてもらった。一丸となって攻撃ができている」と村上。いまのヤクルトではその言葉が大げさには聞こえない。

 昨季まで2年連続で最下位に沈み、今季の前評判も決して高くなかった。そんなチームが五つの勝ち越しを持ち、2位巨人を1ゲーム差で追う。大健闘だ。

 逆転勝ちを決めたこの試合、高津監督にとってはもう一つ、特別な意味があった。今季から就任した楽天の石井一久監督は、ヤクルトの黄金期をともに築いた元同僚だ。「すごく仲良く過ごした相手。違うユニホームだけど、一緒の舞台に立てたのはうれしい」。喜びが重なった1勝だった。(藤田絢子)