県外からは断られ…コロナで「視察に行けない」議員たち

遠藤和希、清水大輔
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 昨年度に使われた長野県議会の政務活動費(政活費)のうち、視察などに充てた金額が前年度から39%減ったことが分かった。新型コロナウイルスの影響が議員活動にも及んでいたようだ。

 1日に県議会が公開した昨年度の政活費の収支報告書から明らかになった。交付額2億832万円のうち返還額は1822万円(8・7%)で、直近5年間で最大となった。

 政活費は、月81万3千円の議員報酬とは別に、議員1人あたり月31万円が交付されている。使途は、県内外での視察や研修、資料購入、広報活動など。領収書を添付した収支報告書の提出が義務づけられ、使わなかった分は年度末に返還することになっている。

 20年度に使われた1億9009万円の使途をみると、視察を含む「調査研究費」は1779万円で、19年度の2920万円から39%減った。19年4月の県議選で定数が1減り、その後に1人欠員も生じたが、それを差し引いても大きく減っていた。使途別の内訳でみると、「調査研究費」の割合は19年度までの4年間は15~20%だったが、20年度は9・4%に減っていた。

 一方、増えていたのが住民相談や広報活動を含む「広聴広報費」。20年度は5980万円で全体の31・5%を占め、19年度より1152万円増えていた。新型コロナ関連の補助金申請方法や、雇用情勢などを説明する広報紙の発行回数が増える傾向にあった。

 調査研究費をみると、自民党県議団は1088万円で、前年度より2割以上も減っていた。風間辰一団長は「県外の視察先からは断られ、県内の多くも自粛せざるを得なかった。直接会って市民の言葉や表情を確認したいのに、情報が拾いにくい」と話した。

 同じく3割以上減っていた共産党県議団の和田あき子副団長は「今年度は会議や研修をオンラインにするなど工夫して活動する必要がある」と話した。(遠藤和希、清水大輔)

政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之(ひろし)教授の話

 細かい分析はこれからだが、新型コロナで活動が制限されて調査研究費が減るというのは全国的な傾向の可能性がある。そのなかでも、各自治体でコロナ対応などの行政活動に対し、議会が適切なチェック機能を果たしているかどうか、メディアや市民がみていく必要がある。