「今となっては最良」 どん底に落ちた彼女が笑えるわけ

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ロンドン=遠田寛生
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 東京オリンピック(五輪)の開幕まで3日で50日となった。国内では新型コロナウイルス感染が収束する気配は見られず、開催に反対する声も日ごとに大きくなっている。先行きが不透明ないま、海外の選手たちは何を思うのか。

 陸上女子棒高跳びのオリビア・マクタガート(21)は、2年前にニュージーランドの全国大会を制した有望株だ。それでもまだ、東京五輪の切符をつかめないでいる。

 新型コロナの影響で昨春以降、出場を予定していた競技会が軒並み中止に追い込まれたからだ。

 昨年3月、オーストラリア遠征へ向かう直前に東京五輪が延期された。「五輪の出場を決めたかっただけに残念だった」

 今季は2月に自己ベストの4メートル55を跳ぶなど、3月上旬の全国大会に向けて万全といえた。だが、その全国大会も数週間の延期になってしまう。

 そんなタイミングで左手の親指を骨折してしまった。

 「不運としか言いようがない。代表に選ばれるか、微妙な状況」。東京行きを自動的に確定させるには、6月中旬までに参加標準記録4メートル70を突破する必要がある。

 オークランドを拠点に活動する2000年生まれのいわゆるZ世代。17歳で日本記録に相当する4メートル40をクリアし、世界から注目されている。

 五輪での活躍は小さいころからの夢。ただ、何が何でも東京五輪に出なければ、という焦りは感じられない。

 「パリ五輪なら出場がどうかではなく、五輪で優勝争いに食い込める可能性があると思うし、うまくいけば(28年の)ロサンゼルスも。この先3、4回は五輪に出られるかも」

 「それに22年は大きな年になる。コモンウェルスゲームズ(英連邦競技大会)があるし、世界選手権もある。五輪と同じように表彰台を目指して努力したい」

 明るく振る舞う彼女は一度、どん底に突き落とされたことがある。

 もともとは4歳から始めた体…

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