シェークスピア、3人目の全訳 ジュリエット口調に注目

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編集委員・藤谷浩二
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 翻訳家・演劇評論家の松岡和子さん(79)がシェークスピア(1564~1616)の全37戯曲を翻訳した『シェイクスピア全集』(ちくま文庫)が33巻で完結した。個人による日本語全訳は、坪内逍遥英文学者の小田島雄志さんに続き3人目となる。「世界と人間をまるごと映した言葉と向き合った、幸せな日々でした」と振り返る。

 1993年に「間違いの喜劇」を訳したのが始まり。東京女子大の学内公演で「夏の夜の夢」のボトムを演じ、東京大大学院でシェークスピアを学んだが、戯曲の翻訳は50歳を過ぎてから。それまでも現代戯曲の劇中劇で部分訳はしていたが、「存在が大きすぎて、シェークスピアそのものからは逃げていた」。

蜷川幸雄演出の舞台とともに

 94年に串田和美さん演出の「夏の夜の夢」、95年には蜷川幸雄さん演出の「ハムレット」を翻訳。96年から全集の刊行も始まった。98年には全戯曲上演をめざす「彩の国シェイクスピア・シリーズ」がスタート。蜷川さんから「ぜんぶ松岡さんの訳でやるからね」と言われ、公演に合わせて訳業を進めた。

 「最初は日本語のアップデー…

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