南極、上空、海の中… 名物アナが語る生中継の極意

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西田理人
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取材のために南極を訪れたMBSの山中真アナウンサー。南極からも中継を行った=2015年3月21日、本人提供
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 「たった10分間の短いコーナー」などと決して侮ることなかれ――。

 空の上から、水の中から、ときには氷上から。そのアナウンサーの届けるリポート中継には、深い取材と綿密な準備、そして何よりも「視聴者に楽しんでほしい」という熱い思いが詰まっている。

MBSの山中真アナウンサーは、華麗な受賞歴を誇るリポート中継のプロフェッショナルです。私たちが日々何げなく見ている「生中継」の裏側で、彼らはどんな努力を重ねているのか。記事後半では、山中アナにその極意を尋ねます。

桜の名所巡る「空中散歩」で、最優秀賞

 「元気があり余っている山中の中継、テンション高くお届けしていきましょう。番組1発目ですから、ヘリコプターを出してもらいました。桜が満開の季節ですが、コロナの影響もあってお花見しにくいという方も多いかもしれません。ぜひ上空からのお花見、楽しんでいただきたい。どうですかスタジオの皆さん、けっこう咲いているでしょう?」

 軽妙な語り口で、コロナ下のお茶の間に京都の桜を届けたのはMBSの山中真(まこと)アナウンサー。3月29日に始まった新番組「よんチャンTV」(平日午後3時40分~同7時)で週4日、「関西人の気になるスポット」を訪ねる冒頭の中継コーナーを担当する。

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ヘリから桜の中継をする山中真アナウンサー=2021年3月29日、MBS提供

 桜の名所をヘリで中継したこの日の放送は、JRN・JNN系列の優れたアナウンサーに贈られる「アノンシスト賞」の2020年度の最優秀賞に選ばれた。

 中継は世界遺産二条城からスタートし、約60品種の桜が見られる平野神社の上空を旋回。その後「御室桜」で有名な仁和寺を経由し、最後は山桜の咲く景勝地・嵐山へ。被写体としての桜に動きがない分、上空からの映像を「空中散歩」に見立てるなどして躍動感を演出した。

 約10分間の限られた枠内で、バリエーション豊かな桜を過不足なく紹介しつつ、ナジャ・グランディーバやNEWSの小山慶一郎ら、スタジオの出演者との息の合った掛け合いも披露。バランスの取れた構成と地上ロケにも勝る臨場感で、長寿番組「ちちんぷいぷい」(3月で終了)の後を継ぐ番組の船出を大いに盛り上げた。

分刻みでの綿密な構成

 一発勝負の生中継は、不確定要素も多いのでは。そう尋ねると、山中アナは「実を言うと、構成はかなり細かく練りました」。

 ヘリのコース取りと話の順序…

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