国際課税合意へ詰め G7財務相会合 日本への影響は

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吉田貴司、ロンドン=和気真也、ワシントン=青山直篤
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 巨大IT企業や多国籍企業への新たな課税ルールづくりの議論が詰めの段階を迎えている。4、5日に英ロンドンで開かれる主要7カ国(G7)財務相会合でも議題となる見通しだ。最大の焦点は「課税逃れ」を防ぐ法人税の最低税率の水準。G7内にも温度差があり、目標の7月合意を前に一致した姿勢を打ち出せるかが焦点となる。

 「すべてのG7の国の利益につながることではないか」。麻生太郎財務相は5月28日深夜、オンライン形式で開かれたG7会合後、国際課税の議論について記者団から問われて語った。この日の会合での議題ではなかったが、会合の中でも同じ発言をしたといい、財務省幹部は「合意への勢いを打ち出したいという気持ちの表れだ」と強調した。

 国際課税の議論が始まったのは2012年。現在は経済協力開発機構(OECD)の加盟国を中心に約140の国・地域が参画し、7月の主要20カ国・地域(G20)の財務相会合での合意を目指す。今回のG7会合は直接の交渉の舞台ではないが、最も議論になりそうなのは、「グローバルミニマム税」とも呼ばれる各国の法人税に共通の最低税率を設けるルールだ。

 国境を越えて活動し、税負担の軽いところに拠点を置くグローバル企業が増えた。こうした企業を呼び込むため、「底辺への競争」と呼ばれる税率の引き下げを各国・地域が競い、財政悪化の一因などになってきた。最低税率の導入はそこに一定の歯止めをかけ、企業の「課税逃れ」を防ごういう狙いがある。

 最大の焦点はその税率。法人税率が12・5%で「タックスヘイブン租税回避地)」と言われるアイルランドのような国は、なるべく低税率に抑えたいと主張する。これに対し、影響を受ける巨大企業を多く抱える米国はG7会合を控えた5月20日、税率を「15%以上」とすれば、受け入れ可能だと表明。それまで念頭においてきた「21%」より引き下げて低税率国に歩み寄り、独仏両国の財務相も好意的な反応を示した。

 しかし、欧州勢も一枚岩ではない。とくに、G7の議長国、英国の財務省幹部は5月上旬のオンライン講演で「英国で支払われるべき税金がカリフォルニアで支払われる」と懸念を示しており、今度の財務相会合でも出方が注目される。

 もう一つの議論の柱は、巨大…

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