お遍路さんに安心の屋根を 高松のレトロ電車休憩所

福家司
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 お遍路さんの休憩所にするため、NPO法人88(エイティエイト)(高松市牟礼町)が昨年末に高松琴平電鉄(ことでん)から譲渡されたレトロ電車「20形23号」が、鉄道ファンやお遍路さんが訪れる新名所となっている。だが、当初から雨漏りに悩まされていたといい、車体を保護するための屋根を付ける資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 23号は1925(大正14)年に製造された。近畿日本鉄道から61年にことでんが譲り受け、志度線、琴平線などを走った。昨年9月の引退時には、営業路線を走る電車として国内最古だった。

 88の事業拠点は四国霊場85番札所八栗寺と86番札所志度寺の間にあり、ことでん志度線の塩屋駅からも近い。お遍路さんにお接待をしており、敷地内にはドッグランやピザ店、焼き鳥店、カフェもある。

 ことでんは、88の求めを受けて23号の無償譲渡を決め、昨年12月、仏生山車両所から移送された。88の笹尾正福(まさとみ)・代表理事(66)は「お遍路さんには中高年が多く、古いものの方がくつろげるのではないかと思った。かつて志度線を走っていた車両でもあり、23号にひかれた」と振り返る。

 ニス塗りのレトロな車内はそのままに、外部から電源を引き込み、蛍光灯や扇風機、車内放送を使えるようにした。テーブルやテレビも設置し、移送時の動画を公開。駅舎やホーム代わりのウッドデッキも設けた。コロナ禍のためPRは控えていたが、多くの鉄道ファンやお遍路さんらが訪れるようになった。

 ただ、移送直後から天井から雨漏りが目立っていたため、今回、屋根を付けることを決めたという。

 設置費を賄うため、CFサイトの「レディーフォー」(https://readyfor.jp/projects/58400別ウインドウで開きます)で400万円を目標に寄付を募っている。すでに約300万円集まったが、12日までに目標額に達しなければ、寄付額を全く受け取ることができない。

 笹尾さんは「コロナ禍が収まり、お遍路さんや鉄道ファンに安心して訪れていただけるようになるまで、第二の活躍の場所として23号を守っていきたい」と話している。

 一方、取り組みを支援する高松市の鉄道カメラマン坪内政美さん(46)が5月24日、自作のスタンプを88に寄贈した。スタンプには23号のイラストとともに「ようこそ、大正浪漫レトロ電車へ」などと書かれている。過去に制作した、ことでんのレトロ電車4両と仏生山、滝宮、志度、長尾4駅の計8種類のスタンプとともに88の事務所に置く。坪内さんはCFの返礼品となる記念証も制作している。(福家司)