休業のバー、NZワイン専門のオンライン販売で商機を

佐藤瑞季
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 【愛知】緊急事態宣言下で休業しているワインバー「ボクモ」(名古屋市中区)の店主岩須直紀さん(45)が、7月にニュージーランドワイン専門のオンライン販売店を始める。「日本中にファンを増やすチャンスになれば」と意気込んでいる。

 岩須さんがニュージーランドワインに魅了されたのは約6年前。現地で働くいとこを頼り、10日間、各地のワイナリーをめぐった。「フルーティーでフレッシュ。果実の香りに心躍らされ、大好きになった」

 欧州ワインに比べて歴史は浅いが、自分たちの味をつくっていこうと意気込む生産者たちの姿にひかれた。手つかずの大自然のなかでつくられ、多くのワイナリーはサステイナブル(持続可能)認証を受けており、環境にも優しい。

 「日本でまだまだ知られていないこのワインを広めたい。応援したい」。帰国後、店で扱うニュージーランドワインの種類を増やした。以前はボトルで3種ほどしか扱っていなかったが、ボトルで100種、グラスで5種ほどをそろえた。ラムチョップステーキや、マッスル(ムール貝)などのニュージーランド料理も用意した。

 昨年5月、緊急事態宣言下で売り上げが減るなか、臨時の酒類販売免許を取得し、ワインのボトル販売を始めた。半年で250本ほど売れた。好評で、売り上げの足しにもなった。

 コロナ禍で外食せずに自宅で過ごす時間が増えており、ニーズが高まっていると感じた。ニュージーランドワインは日本で知名度が低く、扱う店は多くない。「今まではバーでワインを出していたが、コロナ禍でできない。それならネット販売で届けよう」。今年1月に開業を決意した。

 営業時間の短縮で余裕ができた時間を使い、書類を用意し、4月下旬に酒類販売免許を取った。在庫調整などの準備を進め、7月1日に発売する。

 フルーティーな白の「ソーヴィニヨン・ブラン」やベリーの風味が強い赤の「ピノ・ノワール」をはじめ、常時100種、千本ほどのニュージーランドワインをそろえる予定だ。購入した人には、ワインの特徴や料理との相性を記した紙を同封し、ワインの楽しみ方を提案する。

 最近は、インスタグラムやYouTubeでの動画配信にも力を入れる。店で取り扱うワインのレビューや歴史を伝えたり、おすすめの飲み方を紹介したり。「それぞれの場所で楽しんでもらいたい」と話す。

 「週末においしいワインが待っているから頑張ろうと働く原動力になる。コロナ禍で閉塞(へいそく)感があるときだからこそ、活力の種になるものを提供できれば」(佐藤瑞季)