和歌山)IR誘致めぐり、高校生論戦 向陽高

国方萌乃
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 経済効果が期待される一方、治安悪化を心配する声が上がるなど、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致をめぐる賛否は様々だ。和歌山県立向陽高校の生徒が2日、県内へのIR誘致についてディベートし、「肯定派」「否定派」が真っ向から意見をぶつけ合った。

 ディベートは、同校3年生の授業の一環。「和歌山県はIRを誘致すべきか」を議題に、「肯定派」「否定派」の各8人が、4月からそれぞれのメリット、デメリットについて調べ、準備してきたという。同じ敷地内にある向陽中学校の3年生ら113人が同席し、審判役を務めた。

 まず、林亮太朗さん(17)がリーダーを務める肯定派は、県内の労働人口が減少していく中、IRを誘致することで雇用が増えると説明。「海外からの観光客を呼び込む起爆剤にもなる」とアピールした。

 一方、藪本快都さん(18)率いる否定派は、IRができることでギャンブル依存症の人が増えたり、治安が悪化したりする恐れがあると指摘。南海トラフ地震のリスクにも触れ、「人的被害、経済的被害は計り知れない」とデメリットを強調した。

 その後、双方は相手の主張について反対意見をぶつけた。否定派は、肯定派が挙げる「経済効果」について「コロナ禍で客がオンラインカジノに流れているようだが、収束後、客が戻ってくると言えるのか」と反論。肯定派は、否定派が唱えるギャンブル依存症の問題について「カジノに入場できる回数や、賭けられる金の上限を設けることで、対策できる」とした。

 ディベート後、どちらの主張に納得できたか、審判役が判定した結果、肯定派50人、否定派63人で否定派が上回った。

 否定派の藪本さんは「新型コロナや南海トラフなど、身近に感じられる話題でデメリットを示せたことが勝利につながった」と分析。肯定派の林さんは「今になって『こう言えばよかった』と後悔する部分もあるが、チームの全員が発言できたのでよかった」と話した。(国方萌乃)