衆院選、秋の公算大 首相と公明代表、今国会延長せず

公明

野平悠一、上地一姫
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 菅義偉首相は2日、首相官邸で公明党山口那津男代表と会談し、16日に会期末を迎える通常国会の会期を延長しない方針を確認した。首相は、新型コロナウイルス対応を優先する考えを示しており、10月に議員の任期満了を迎える衆院の解散・総選挙は、東京五輪パラリンピック後の秋に行われる公算が大きくなった。

 会談を受け、複数の自民党幹部が朝日新聞の取材に、解散は秋になるとの見通しを示した。解散前には新たな経済対策を打ち出すことも検討しているという。

 首相は、山口氏と昼食を共にしながら約1時間にわたって会談。その後、山口氏は記者団に、会期を延長せず、2021年度補正予算案の編成も見送ることを確認したと語った。首相は2日夜、記者団に「国会は期間内に決められた法案をしっかり通す。そのことが大前提」と述べた。

 与党は残る法案のうち、重要法案と位置づける土地規制法案の会期内成立にめどがつきつつあるとの認識だ。コロナ対策の予備費が4兆円近く残っており、25日に東京都議選の告示も控えるなかで延長の必要はないと判断したとみられる。

 首相は昨秋の政権発足以降、コロナ対策を「最優先」として早期の衆院解散に否定的な考えを示してきた。会期末の16日は10都道府県への緊急事態宣言の期間中で、東京五輪の開幕も7月に迫っていることから、夏に総選挙を実施するのは困難との見方が与党内では大勢を占める。

 コロナ対策への不満から内閣支持率の低迷が続く一方、首相が「切り札」と位置づけるワクチン接種が進めば、「雰囲気が変わる」(自民党幹部)との期待感も与党内にはある。首相は9月の自民党総裁任期満了までに解散する考えを公言しており、解散は9月5日に閉幕するパラリンピック後が有力視されている。首相に近い自民党幹部は、総選挙で勝利した後、党総裁選を無投票で乗り切る解散戦略を描く。ただ、コロナの感染状況次第では、シナリオ通りに進まない可能性もある。(野平悠一、上地一姫)