お金もうけの方法が得られると信じ、その情報が入ったUSBやアプリなどを高額で買ってしまう被害が若者の間で急増中だ。宣伝文句ほどもうからないことが多く、国民生活センターによると、20年度のトラブル相談件数は10~20代が45%を占めた。
若者の相談件数割合が倍増
「ホームページを作りアクセスを増やすことで誰でも簡単に稼げる方法」「為替相場を予測する教材」――。センターによると、こんなうたい文句で、お金もうけのノウハウが入っているとされるUSBなどが数十万円で売られ、近年、若者の間でトラブルとなっている。
10~20代の相談件数は18年度22・6%、19年度34・8%と増加し、7194件の相談が寄せられた20年度は45・1%に達した。
これまで相談の中心だった30~50代から、若者にトラブルが広がっている背景について、センターは、こうした商品の広告の多くがSNSに出されている点を挙げる。
SNSで広告して、登録させたうえで、「より精度の高いソフト」の契約を迫る▽マルチ商法の形態で、同級生や先輩・後輩といった身近な人間関係のなかで勧誘させる、というのが典型的な販売手法という。
具体的には、「SNSで友人登録をした人から、ホームページを作りアクセスを増やすことで誰でも簡単に稼げるというメールが送られてきた。電話でノウハウを90万円で契約するよう勧められ、決済したもののもうからない」(20代女性)、「バイト先の友人に誘われて『投資に成功する教材』を約55万円で買った。契約書に、教材を人に紹介すれば7万円の紹介料が得られると書いてあった。怪しいので解約したい」(20代男性)などだ。
センターの担当者は「SNSに触れる機会が多い若い世代の人たちが契約したり、知り合いを勧誘したりして被害を広めている」と分析する。