IR候補にカナダ企業 自然体験型施設を提案 和歌山

西岡矩毅
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 和歌山県は2日、和歌山市の人工島「和歌山マリーナシティ」に誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)の優先権者候補にカナダのIR投資・運営会社のグループ企業「クレアベストニームベンチャーズ」を選んだと発表した。

 この日会見を開いた仁坂吉伸知事は、同社の提案内容について「(県が設置した選定委員会から)合格をもらった。(認可を出す)国交省も合格と言ってくれるんじゃないかと思うけど、何も言わせないくらいに仕上げていく」と自信をのぞかせた。

 県によると、同社は「『木の国・水の国』自然豊かな滞在・体験型IR」をコンセプトに掲げている。初期投資額は約4700億円で、県が基本構想で示していた約2800億円を大きく上回る。区域内に、3千人が収容できる大会議場などがある国際会議場と約6万平方メートルの展示スペースのある展示施設を備えた「MICE施設」を設ける。カジノ施設のほか、客室が約2700室の宿泊施設や日本遺産ミュージアム、eスポーツ施設なども設置する提案が示されている。提案内容について、国に提出する区域整備計画を作成するなかで変更する可能性があるという。

 仁坂知事は、同社を優先権者候補に選んだことに「自信をもって次のステップに行ける」と話した。また、IR事業について「和歌山にとって、かなり大きな成長因子になる。その成長因子を育てるのは、次の世代に対する使命だと思う」と語った。

 県は今後、和歌山市と県公安委員会と協議し、同社を優先権者に選定。その後、区域整備計画を同社と共同で作って、来年4月28日までに国に提出する。

 同社の代表者ロベール・ヴェルディエ氏は、「美しい自然と豊かな文化に恵まれた和歌山の地にふさわしいIRを実現すべく、和歌山県とともに、また県民の皆様と十分に対話しながら、素晴らしい計画を作り上げていく」とのコメントを出した。近日中に県内に事務所を開設する予定だという。(西岡矩毅)

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