潜水艦引き揚げを断念、53人死亡と判断 インドネシア

半田尚子
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 インドネシアのバリ島沖で、53人が乗った海軍の潜水艦が沈没した事故で、国軍は2日、船体の引き揚げを断念したと発表した。潜水艦の沈没理由について公式の説明はなく、乗組員の遺体も収容されていない。

 ロイター通信などによると、潜水艦KRIナンガラ402は魚雷発射訓練の潜航中に通信が途絶え、バリ島沖の水深約840メートルの地点で、船体が三つに分裂した状態で発見されたと国軍が4月25日に発表。乗組員は全員死亡と判断された。

 船体の発見後は中国海軍と共同で引き揚げ作業が行われていた。船内からは写真やビデオなどが回収されたという。

 インドネシア海軍の担当者は引き揚げ作業の中止について、「簡単な作業ではなく、リスクがとても高い」との声明を発表。中国海軍も作業から撤収する。インドネシア海軍の報道官は「中国との協力終了後、回収作業を継続する計画はない」と述べた。

 沈没した潜水艦は1977年にドイツでつくられ、81年にインドネシア海軍が購入。現地メディアでは老朽化や整備不良の可能性が指摘されていた。(半田尚子)