コロナ禍、路上からSOS 駆けつけ伝える、生きようと

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聞き手 編集委員・清川卓史
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 助けてください――。インターネットカフェや路上から、SOSメールが連日届く。コロナ禍の長期化は、経済や雇用に大打撃を与え、住まいや仕事を失って追いつめられる人が後を絶たない。反貧困ネットワーク事務局長の瀬戸大作さんは昨春から、「駆けつけ型の緊急支援」に奔走してきた。支援した人数は600人を超えた。

 ――コロナ危機が1年以上続くなか、切迫した相談が相次いでいると聞きました。

 「昨年3月に設立した約40団体が連携する『新型コロナ災害緊急アクション』のサイト上の相談フォームには、所持金が数十円、数百円という人からの『SOS』が毎日のように届きます。気になるのは、年明けの緊急事態宣言以降、若い世代からの相談がさらに増えたことです。いま20~30代からの相談が6~7割でしょうか。女性からのSOSも目立ちます。飲食、宿泊、小売業など、コロナ禍で打撃を受けた業種で勤務していた非正規雇用の女性が多く、風俗業で働いていた人もいます」

 「2008年のリーマン・ショック後の『年越し派遣村』では、中高年男性の姿が目立ちました。しかしコロナ禍では、若い人や女性、外国人なども含めて幅広い層が困窮している。人生初の路上生活という絶望のなかにいる人も少なくありません。大半がスマートフォンの料金が払えずに利用を止められ、連絡手段は無料のWiFiスポットです」

 ――相談してくる人たちの居場所や住まいの状況は?

 「相談の多くは、安定した住まいを持てないネットカフェ生活者などからです。コロナ以前は見えにくかったのですが、働いてもアパートを借りる初期費用がためられず、ネットカフェで2年3年と暮らし続けていた人が数多くいたのです。そうした人たちがコロナ禍で仕事を失い、所持金が尽き、次々と路上におしだされている」

 「さらに昨年12月ごろから、家賃滞納で住居を追われたと話す人が増えています。派遣などで住み込みで働いていて雇い止めとなり、○日○時までに退去するようにと通告されるような事例です。行くあてがなく、私の車に相談者とその人の荷物を乗せて、シェルターに向かう場合もあります」

 ――瀬戸さんたちが取り組んでいる駆けつけ型支援とは、どのようなものでしょうか。

 「相談者のいる駅や公園に車で急行して、まずじっくり話をします。何十キロも高速道路を走らせて、道の駅やスーパーの駐車場で待ち合わせることもあります。そして当面の食費・宿泊費として、寄付金を元にした支援金を手渡します。必要であれば翌日以降、生活保護の申請に同行し、窓口で追い返されたり、劣悪な施設に入居させられたりしないよう、サポートする。利用が決まれば、アパート探しも手伝います。その後のフォローも必要で、だいたい40人ぐらいと常に連絡を取っています。電話ばっかりしてますよ」

 ――支援報告を読むと、ほぼ年中無休で夜9、10時までという日も珍しくありません。なぜ、そこまでして「駆けつける」のですか。

いつとびこんでくるかわからないSOSに即応し、年中無休で奔走する瀬戸さんたち。現場では「信じられないことが起きている」と言います。

最初の言葉が「助けてください」

 「やらざるをえない、からで…

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