100年前の黒人虐殺事件、バイデン氏が追悼 現職で初

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ワシントン=合田禄
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 バイデン米大統領は1日、オクラホマ州タルサを訪れ、100年前に起きた黒人虐殺事件を追悼する演説をした。この事件は米国史上最も悲惨な人種差別の一つだったが、長年ほとんど語られず、現職大統領が現地で追悼するのは初めて。バイデン氏は「暴動ではなく虐殺だった。あまりにも長い間、歴史のなかから忘れられていた」と強調。事件に向き合い、人種差別問題に力を入れる姿勢を示した。

 バイデン氏は演説で、虐殺事件について「現在にもつながる憎悪とテロの行為だった」と指摘。「今日の米国でも、最も致命的な脅威はIS(過激派組織『イスラム国』)やアルカイダではなく、白人至上主義によるテロだ。国内のテロやヘイトクライムによる暴力に対する幅広い戦略を間もなく発表する」と述べた。

 さらに「タルサで起こったことは消し去ることができない」と強調した。州や連邦政府が事件後、居住区の再建のために十分な投資をしてこなかったことも批判した。その上で、黒人が所有する住宅の価値が低く評価される傾向や、保険料の算定で黒人が不当な扱いを受けている現状にも言及。住宅市場における人種差別にも対処していく決意を示した。

 タルサ歴史協会・博物館などによると、事件は1921年5月30日に若い黒人男性がエレベーターに同乗した白人女性を暴行した容疑で逮捕されたのがきっかけ。翌日、拘束されたこの男性を私刑(リンチ)しようと集まった白人と、黒人の間で衝突が発生。武装した白人らは黒人らが住むグリーンウッド地区を破壊したり、燃やしたりした上、飛行機から爆発物も投下したとされ、24時間にわたる虐殺が起きた。

 当時、この黒人居住区には経…

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