貧しい国々へワクチン 先進国にとって最高の投資

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コラムニストの眼 ニコラス・クリストフ

 最高のリターンが得られる投資はなんだろう? 未公開株だろうか? それともヘッジファンド

 それらより、はるかに高いリターンを生む投資がある。地球規模で貧しい国の人々に新型コロナウイルスのワクチン接種を行うことだ。

 これまでのところ、米国をはじめとする「指導的な立場」であるはずの主要7カ国(G7)は、世界のパンデミック(感染爆発)との闘いで指導力を示していない。米国が「ワクチン・ナショナリズム」でワクチンと原材料を抱え込んでいるせいで、他国で救えるはずの命が失われ、米国自身の復興も損なわれている。

 「G7の大きな倫理的な過ちだ」とノーベル経済学賞を受賞したマサチューセッツ工科大学のデュフロ教授は言う。「私たちは自分たちの問題に注目しすぎていて、先が見えていない」

 デュフロ教授の夫で、共にノーベル経済学賞を受賞している同大学のバナジー教授は、貧しい国々で変異株が出現するリスクがあり、「大きな失敗であるだけでなく、私たちに跳ね返ってくることになるだろう」と続けた。

 もちろん、これは一義的にはお金の話ではない。命の問題であり、人類が進む道筋の問題だ。とはいえ、倫理的な問題においてもコストを重視する人々に向けて、国際通貨基金(IMF)の最近の報告書は、世界的なワクチン投資の重要性を数字で示してくれている。

 今すぐに、主として裕福な国々が500億ドル(約5兆5千億円)の緊急投資を行って貧しい国々でワクチン接種を行えば、早期にパンデミックの制御ができ、2025年までに9兆ドル(約1千兆円)もの追加の経済成長をもたらすという。

 専門家によると、4年間にわ…

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