罪を犯した人、雇うわけは お好み焼きチェーンの戦略

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米田優人
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 関西を中心にお好み焼き店を展開する「千房(ちぼう)」(大阪市)は、罪を犯した人を積極的に雇い入れてきた。資産運用のプロから一転、家業を継いだ中井貫二さん(45)は、更生支援の取り組みも続けている。会社にとって好影響、と考えたからだ。

約10年で40人採用

 かつては証券マンだった。大手証券会社に勤め、富裕層向けの資産運用を担当してきた。「当時、罪を犯した人と接することは一生ない、と思っていました」と振り返る。

 千房は、創業者の父・政嗣(まさつぐ)さん(75)=現会長=が始めた、出所者を雇用する取り組みを10年以上続けている。刑務所や少年院に求人を出し、所内で面接をする。採用が決まれば、着の身着のままの出所者に洋服や家具などをそろえ、住まいと職場を提供する。これまでに雇った出所者は40人にのぼる。ほとんどが店舗での接客を担ってきた。13年には、政嗣さんが中心となり、各地の企業や日本財団でつくる出所者の社会復帰を支える「職親(しょくしん)プロジェクト」を立ち上げた。

 コロナ禍で外食産業は厳しい状況が続く。従業員の採用に慎重な企業が増え、雇用の維持が難しくなっている。千房も例外ではない。それでも、貫二さんはこの取り組みをやめることは「まったく考えていない」という。「出所者を雇うのも、そうでない人を採用するのも同じで隔たりはない。過去を問わずに受け入れるのは、千房の人材育成の根幹だから」

 貫二さんはもともと「更生とか、就労支援とか、まったく興味はなかった」という。転機は37歳で訪れた。

働き立ち直る姿見てきた

 千房の2代目となる予定だっ…

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