そして死刑囚の実家を訪ねた 被害者の秋葉原事件13年

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佐藤修史
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 7人が死亡、10人が重軽傷を負った東京・秋葉原の無差別殺傷事件からまもなく13年。九死に一生を得た被害者の湯浅洋さん(67)は今、故郷・宮崎市で暮らす。「なぜ無差別の犯行を」という加藤智大(ともひろ)死刑囚(38)への疑問と、「現場で誰一人救うことができなかった」という自責の念を引きずったままでいる。

 2008年6月8日午後0時半。タクシー運転手だった湯浅さんは赤信号のため、歩行者天国の手前の交差点で停車していた。対向車線のトラックが歩行者を次々とはねながら、すぐ横を通り過ぎた。

写真・図版
秋葉原無差別殺傷事件の直後、交差点に停車したままになった湯浅さんのタクシー(奥)。手前のトラックが犯行に使われた=2008年6月8日、東京都千代田区外神田

 急いでタクシーを降り、倒れていた男性に駆け寄った。一見して絶望的な光景だった。別の人を助けにいこうと立ち上がった瞬間、右脇腹にドンと衝撃を感じた。

 手でさすると、べっとりと血のりがついた。ナイフが肺を貫き、横隔膜や肝臓に達していた。救急車に乗せられ、気を失った。

 意識が戻ったのは4日後。報道で加藤死刑囚のことを知った。「長男と同い年じゃないか」

 湯浅さんは、東京地裁の公判…

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