縮めたら後れとるかも 燃費差めぐるメーカーのジレンマ

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神山純一、田中恭太
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 実燃費を記録する装置の新車への搭載がメーカーに義務づけられることになった。環境やコストへの意識が高まるなか、燃費は車購入時の重要な指標だが、カタログ上の燃費を良く見せようというメーカーによる不正の舞台になり、実燃費との隔たりもかねて指摘されてきた。

 2016年に三菱自動車で燃費算出の元となるデータの偽装が発覚。その後、スズキも違法な方法で測定したデータを国に提出していたことが判明した。他社とのカタログ燃費競争が背景にあったとされる。

 「カタログ燃費」は国の基準に基づく。国土交通省所管の独立行政法人、自動車技術総合機構が測定する。屋内の試験装置に車を乗せ、ローラー上でエンジンをかけてタイヤを回して燃料の減り具合をみる。まっすぐな道をエアコンやライトを使わずに走らせる想定だ。日本自動車工業会によると、カタログ値は実燃費より2~3割良く表示される、とかねて指摘されてきた。

 こうした問題を受け、カタログ燃費の実態とのずれが従来よりも少なくなるよう、国は17年から順次、国際的な測定・表示方法を採用。「市街地」「郊外」「高速道路」をそれぞれ走る場合を想定し、信号待ちや渋滞も考慮して表示するようにした。燃費差は小さくなったとみられるが、依然として、カタログ燃費と実燃費の間に大きな開きがあるのが現状だという。

 燃費情報サイト「e燃費」(https://e-nenpi.com/別ウインドウで開きます)を運営する「イード」(東京)は実燃費をもとに、カタログ燃費の「達成率」を算出しているが、「車種によってばらつきはありますが、カタログ燃費の達成率は70~80%ぐらい」(同社担当者)。新方式で以前より実燃費に近づいたが、それでも「達成率100%」は、現在販売中の車で3車種にとどまるという。

 メーカー側には温度差はある…

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