おいしさ奏でる思い出の教室 宇和島の廃校が食堂に

藤家秀一
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 5年前に四国本土と橋でつながった愛媛県宇和島市の九島に、レストラン「島の思い出ピアノ」がオープンした。廃校になった小学校の音楽教室をそのまま利用していることから、レコードやピアノ演奏を楽しむことができるのが特徴で、地元の人たちの交流の場になっている。

 九島は宇和島湾に浮かぶ周囲10キロほどの小さな島。人口は800人ほどで、高齢化率は6割に迫っている。2016年4月に九島大橋ができて本土と陸続きになったが、フェリー航路がなくなり、診療所や市立九島小学校も廃止になった。次第に島のにぎわいが失われていった。

 レストラン開設は、市が中心となって九島で進めている地域共生社会の実現を目指すモデル事業の一環。島ではすでに、旧診療所を改装した保健室や島内の高齢者向けの弁当の配送サービスなどが始まっていた。さらに島民どうしの交流を目的に、島民からの要望が多かった飲食店を開くことになった。

 レストランは今年4月11日、旧九島小学校にオープンした。店は音楽教室を利用し、席はかつての児童が使った机と椅子だ。壁には有名作曲家の肖像画や旧九島小学校の校歌が貼られている。授業で使ったピアノも、そのまま置いてある。調理場は楽器が置かれていた隣の音楽準備室を改装した。

 新型コロナウイルスの影響でオープン直後から長期休業を強いられたが、2日から再開した。うどんやそば、いなりずしやカレーなど、島民からリクエストがあったメニューがそろう。島の人が好む手作りの調味料「みがらし」を使った定食もある。

 市からモデル事業を請け負う社会福祉法人の職員で、レストランを任された菊地彰信さん(65)は「子どもからお年寄りまで、誰もが楽しい、おいしい、うれしい場所になるようにしていきたい」と話している。

 「島の思い出ピアノ」(0895・28・6677)は午前9時半~午後4時(土、日曜と祝日は午後5時)。月、火曜定休。(藤家秀一)

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