6月4日は虫の日 危機を生きる小さな命、無視できない

小坪遊
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 たとえ絶滅の危機にあっても、小さな虫は人間から「無視」されがち――。生き物好きの記者が、「虫」と人の関係をめぐって最近発表された興味深い研究を紹介します。6月4日は「虫の日」です。

 昆虫は世界に約100万種が知られ、「地球上で最も繁栄している生物」と呼ばれることもあるが、米ハーバード大などの研究チームが5月に発表した論文(https://doi.org/10.1111/icad.12499別ウインドウで開きます)では、昆虫たちが置かれた厳しい現実が浮かび上がった。

 チームは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで評価された昆虫9355種を対象に、社会の関心や、研究が熱心に行われているか調べた。グーグルの通常検索や、論文用検索サービスによる検索結果の件数などを指標にした。

 その結果、絶滅の危険性がより高いカテゴリーになるにつれて、むしろ関心や研究の「熱量」が下がっていく傾向が確認できた。極めて絶滅の恐れが高い、絶滅危惧ⅠA類は最も悲惨で、すでに絶滅した種よりも「無視」されていた。

 研究チームは数が減ってしまった昆虫とは出合う機会も少なくなることが関心の低さの一因と推測。「ごく少数の有名な種はいるが、絶滅の危機にあるほとんどの昆虫は、インターネットの片隅で忘れ去られている」と指摘している。

 チームのジォンヤン・ワン博士によると、今回の研究で日本語や中国語のデータは取り入れていないが、ワンさんは日本に対し、世界で最も洗練された昆虫学の伝統と実践があるとし、「誰かが同じような視点で研究してくれることを願っています」とのコメントを寄せた。小坪遊