「産む道具じゃない」怒る中国女性 吉岡桂子の多事奏論

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編集委員 吉岡桂子
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 久しぶりに私から電話をかけた。

 おなかがまだ痛むと言っていた。

 中国・広西チワン族自治区の農村に住む何月連さん(40)。2007年に地元政府から無理やり受けさせられた避妊手術の後遺症に、今も苦しんでいる。

 北京特派員だった10年ほど前、知り合った。取材先の弁護士を頼って相談に来ていたのだ。私にも時々、電話をくれた。炎症で田んぼに出られないと嘆いていた。

 「一人っ子」政策の時代だったが、夫婦とも農村戸籍だったので2人まで許された。待望の次男を出産した直後の明け方のこと。村の関係者たちが自宅に押し入った。三つ年上の夫は出稼ぎでいない。病院に連れて行かれ、テープと細い鎖で手術台に縛り付けられた。痛くて気を失った。目覚めたら処置は終わっていた。法律違反となる3人目の妊娠を防ぐためだ。

 別の農村で、強制中絶事件を…

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