凍結精子で出産「親子と認めて」 性別変更の女性が提訴

村上友里
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 性同一性障害で男性から性別を変えた40代女性が、自身の凍結精子を使って生まれた2人の子どもについて、親子関係を国が認めるように求める訴えを4日、東京地裁に起こした。計320万円の損害賠償も求めている。

家族の多様性に国のシステム対応してない

 原告側弁護団は「実の親なのに、国が親子と認めないのはおかしい。家族の多様性や生殖医療が進む現状に、戸籍法など国のシステムが対応していない」と指摘している。

 原告の40代女性は、パートナーの30代女性と事実婚の状態で生活。凍結保存していた自身の精子を使ってパートナーが2018年に長女を産んだ後、性同一性障害特例法に基づき性別を男性から女性に変更した。20年には次女も生まれた。同性カップルの婚姻は現在の法律で認められておらず、子どもを産んだパートナーのみ親子関係がある状態だ。

父親でも母親でも構わない

 訴状によると、40代女性は、法律上は婚姻外で生まれたこととなる子どもについて、親子関係があることを示す「認知届」を自治体側に出したが受理されなかった。理由は明かされていない。親子関係がないことで学校行事に参加できなかったり、税金や相続で不利益を被ったりする恐れがあり「法的に不安定だ」と主張している。

 提訴後の会見で、40代女性は「法的に母親となるのが理想だが、子どものことを考えると父親でも構わない。親子と認めてほしい」と話した。訴訟には、パートナーの女性と子ども2人も原告として加わっている。

 法務省は「訴状が届いていないのでコメントできない」とした。(村上友里)