「ガザ戦争」繰り返す紛争に変化の兆し 池内恵さん寄稿

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 イスラエルパレスチナ自治区ガザ地区の軍事衝突はひとまず終結した。米バイデン政権はなぜ早期に仲介に動いたのか。イスラエル社会で表面化した亀裂とは。見えてきた変化の兆しを池内恵(さとし)・東京大学先端科学技術研究センター教授が分析する。

 いけうち・さとし 1973年生まれ。東京大学先端科学技術研究センター教授。専門はイスラム政治思想、中東研究、国際安全保障。著書に『シーア派とスンニ派』『イスラーム世界の論じ方』など。

 5月上旬に勃発したイスラエルパレスチナ自治区ガザ地区の軍事衝突は11日間でひとまず終結した。2007年にイスラム主義武装組織ハマスがガザ地区での支配を確立して以来、大規模にイスラエル軍と戦火を交える事態は今回で4度目になる。

 あたかもこれまでの「ガザ戦争」を早回しで繰り返したかのようだった。東エルサレムの占領地で衝突が激化すると、ガザに封じ込められたハマスがロケット弾を撃ち込み、自らの存在感と力を示す。それに対してイスラエルは付随的被害を抑えた大規模反撃を行うが、狭小な人口密集地であるガザで、一般市民の被害は避けられない。国際社会で非難の声が高まると、米国はイスラエル自衛権を擁護しつつ、水面下で停戦を働きかける。イスラエル軍が主要な攻撃目標を掃討し尽くした頃に停戦が表明され、灰燼(かいじん)に帰したガザのインフラを誰がどう再建するかで協議が始まる。

 全てが繰り返しに見える今回…

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