「パソコン感染」数十万円払った71歳 家電店員が察知

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浅田朋範
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 パソコンがウイルスに感染したと焦っている高齢男性に助言し特殊詐欺の被害を防いだとして、奈良県警香芝署が香芝市の家電量販店「エディオンエコール・マミ店」のパート従業員、木村成亜(せいあ)さん(24)に感謝状を贈った。詐欺の手口を察知できたのは、日常業務の中で地道に続けてきた心がけがあったからだった。

 数十万円の特殊詐欺の被害にあったのは、同市内の71歳男性。香芝署への取材によると、経緯はこうだ。

 「ウイルスに感染しました。以下に電話してください」。4月14日、男性がインターネットを閲覧していると、パソコン画面に突然、こんなメッセージが表示された。

 驚いた男性が指示された番号に電話すると、電話口に出た男が言った。「10年間セキュリティーの10万円パックがある。その支払いのため、西真美のセブンイレブンでプリペイドカードを買いなさい」

 男性はプリペイドカードを指示通りに購入し、カードを使うための番号などを電話で伝えた。だが、「うまくいかなかった。ファミリーマートでもう1回購入してください」。

 再び数万円分のカードを購入させられた。男性はこうして計3カ所のコンビニエンスストアで計4回、プリペイドカードやウェブマネー計数十万円分を購入させられた。

 男性はさらに「もっとお得なサービスがある、エディオンに行くように」と指示され、エディオンエコール・マミ店を訪れた。同店でもプリペイドカードなどを取り扱っている。

 男性の話を聞いたパソコン売り場担当の木村さんはピンときた。「正規ではない方法でお金を払わせるのは詐欺です。警察に相談すべきです」。そう助言すると、男性の妻が県警に相談し、詐欺被害が判明した。

 木村さんによると、店には月に1回程度、「パソコン上にウイルス感染の警告が表示される」などの相談電話があるという。その場合は「詐欺なので無視してください」と伝え、強制終了する方法を説明している。

 木村さんは日頃から、ネットメディアなどで、セキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性に関わる情報や詐欺の手口に関わる情報などに目を通している。最新の情報や客からの相談内容についてはスマートフォンの売り場を担当する店員と共有しているという。

 同店の店長(48)は木村さんについて「パソコンやインターネットに精通しており他の従業員よりも知識がある」と評価する。

 5月20日、香芝署で感謝状を贈られた木村さんは、「こういう詐欺もあるということを知って、気をつけていただくきっかけになれば」と話した。(浅田朋範)

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